四月の後半、三本の映画を観ました。
「東京タワー・オカンとボクと時々、オトン」「蒼き狼 地果て海尽きるまで」「ハンニバル・ライジング」全く趣の違う映画で、それぞれに面白さがあり・・・。
「東京タワー」は随分前に、リリー・フランキーの原作を読んでいました。
テレビでもお馴染みっだったので、「泣かせたい映画になっていたら、ちょっと嫌だな」と思っていました。
原作は、東京に出てきた息子が、学生生活を放蕩の末、親からお金をせびりながら生活。持ち前の才能で仕事をこなせるようにり、故里の炭鉱の町から母親を呼び寄せて、一緒に暮らし看取ります。病気とか、生き死にとか、辛い内容で泣かされたくは無いと・・・
泣かされました。母は子供の為に身を粉にして働き、子供は母の懐で甘え、やがて自立していきます。母の愛を身に沁みて感じる息子は、そんな母を大切な存在として受け止めているのです。何でもない一家の営みが淡々と流れていきます。家族の中に居場所の無い、時々、オトンの存在も、切なく味があります。
母と息子の何気ない生活や、言葉のやりとりにも、相手を思いやるユーモアと優しさが感じられ、思わず涙がこぼれました。核家族が当たり前になった、現代の希薄な親子関係が、何とも寂しく感じられてならないのです。
映画を観ているほとんどの人が、泣いていました。自分の人生と重ね合わせて、心を揺さぶられるからでしょう。私の後ろの席に座られた、年配の男の人も声を上げて泣いていました。なんとなく、気持ちがわかります。
この映画は、観る人、それぞれの人生を考えさせる力があるり、誰もが心の中に持っている、思いやりや優しさが、人生をどんなに美しく輝かせるかを、気付かせてくれました。(当たり前の事だけれど、中々素直になれなかったり・・・。)
名優が揃い、原作を越えるいい映画で、心温まる涙を流しました。
「蒼き狼・・・」ご存知、チンギス・ハーンの物語。チンギス・ハーンとは、機知に富み、無敵の武将、モンゴルの広大な草原を馬を駆使し、モンゴル帝国統一を成し遂げた、無骨で屈強な英雄。そんな印象を持っていました。
反町さんのチンギス・ハーンは、意志強固なれど苦悩の人。強いばかりではなく、内面の弱さも併せ持つ人間ハーンを演じて、とても素敵でした。時代に翻弄される親子、夫婦の思い。裏切り、かけ引きが展開するスケールの大きな大活劇です。モンゴル建国800年記念作品。
後日息子と映画の話をした折に、「チンギス・ハーンの生涯を、もっと理解していたら、映画ももっと楽しめただろう・・・」と言われ、ごもっとも!勉強不足でした。
「ハンニバル・ライジング」トマス・ハリスの原作を読んだ時、これは大変な映画になると思いました。ハンニバル・レクターが、なぜ殺人鬼となり、やがて怪物”人喰いハンニバル”と恐れられるようになったのか!の過去に迫る物語です。
1944年、リトアニア。戦争が、幼い彼の心を壊し、復讐の為に殺人を犯していきます。その残酷さは筆舌に耐えません。しかし、映画ではいかに十五歳未満は入館禁止としても、描くにも難しい場面もあり、原作を読んでないと、わかるかな~?という感じもしました。
ハンニバルの青年時代を演じた、ギャスパー・ウリエル。美しい面差しが、殺人を犯すごとに
狂気に変って行く様が恐ろしい。コン・リー演じる彼の叔母の強い愛も、復讐の鬼と化した彼の心を動かすことは出来ません。今回は、日本がキーワード。叔母さんも、美しい日本女性と言う設定です。外人さんの見た日本人、というところでしょうか。
原作・脚本を、トマス・ハリスが手がけていますが、やっぱり映画は原作を越えられないと思いました。幼児期の環境が、人の心を失わせてしまいます。戦争の犠牲になるのは、一番弱い立場の子供たちなのだと、考えさせられましたね。
☆ゴールデン・ウイークには、話題の「バベル」を観る約束をしています。すご~く楽しみ!☆